両面印刷を手に取ると、裏返した面が逆さに見えたり、表裏の余白がずれて見えたりすることがあります。
この2つは同じ「ずれ」に見えても、表裏の天地が合わない問題と、印刷・断裁で位置が動く問題に分けて考える必要があります。
天地の違いは表裏の向きを明確に伝えることで防ぎやすくなりますが、工程上の位置ずれは完全にはなくせません。
ずれの原因を見分けながら、表裏の向きと配置の確認方法を整理します。
両面印刷で表裏がずれて見える理由

天地の組み合わせが意図と異なる
両面印刷の向きを決める「天」はデザインの上側、「地」は下側を指します。
表面と裏面がどちらもタテ、またはどちらもヨコなら、標準では双方の天を合わせます。
一方、タテとヨコを組み合わせる場合は、標準では表面の天と裏面の左を合わせるため、別の辺を基準にしたデザインは意図と違う向きに見えることがあります。
たとえば表面をタテ、裏面をヨコにしたデータで裏面の天を右に置くと、標準の合わせ方では裏返したときの向きが想定と異なります。
表面と裏面の指定が伝わっていない
表面用と裏面用のデータは、ファイル名に「表面」「裏面」と入れて区別します。
天地はトンボの外側に記載でき、指示がない場合はデータの上部が天、下部が地として扱われるため、標準外の向きなら明記が必要です。
印刷や断裁の工程でわずかなずれが生じる
印刷物は大きな用紙に複数面を配置して印刷し、紙を重ねた束を注文サイズに断裁して仕上げます。
この工程では断裁位置にわずかなずれが生じるため、表裏の天地が正しくても、周囲の余白が少し違って見えます。
これは裏面が逆さになる向きの問題とは異なり、データ上の指定だけで完全に防げるものではありません。
ずれを目立ちにくくするデザイン

重要な文字や絵柄を仕上がり線から離す
仕上がり線の近くに店名、連絡先、 二次元バーコードなどを置くと、断裁位置が動いたときに一部が切れるおそれがあります。
切れてはいけない文字や絵柄は、仕上がり線から3mm以上内側へ配置するのが基本です。
表面だけでなく裏面も同じ基準で確認し、端に寄せた情報がないか四辺を見直します。
文字やロゴの外形から仕上がり線までを測ると、必要な余白を判断しやすくなります。
枠線や左右対称の配置を端に寄せない
仕上がり線に沿って配置した細い枠線は、少し位置が動いただけでも左右や上下の太さが違って見えます。
とくに名刺やショップカードなどの小さな印刷物は余白の差が目立ちやすいため、枠線や飾り罫を仕上がり線から3mm以上内側へ置き、仕上がり位置に線を置く場合は太くします。
背景には十分な塗り足しを付ける
背景色や写真を仕上がり線で止めると、断裁位置が外側へ動いた部分に紙の白が出ることがあります。
これを防ぐため、端まで見せたい背景は仕上がり線より3mm外側まで延ばして塗り足しを作ります。
塗り足しは完成後に残す余白ではなく、断裁で切り落とされることを前提に用意する部分です。
印刷の鉄人では、「断裁時のズレ」と「トンボ・塗り足し」のガイドに、文字、枠線、背景の配置例を用意しています。
内側に置く要素と外側に延ばす背景を視覚的に見分けられ、数値だけでは分かりにくい断裁ズレに備えた配置をつかみやすい点が特長です。
表面と裏面の両方に同じ配置基準を当てはめれば、片面だけ余白が足りない箇所も入稿前に見つけやすくなります。
表裏を正しく合わせる入稿前の確認

タテとヨコの標準的な天地を確認する
表面と裏面が同じ向きなら、タテ同士でもヨコ同士でも、標準では表面の天と裏面の天を合わせます。
表面と裏面でタテとヨコが異なる場合は、標準では表面の天と裏面の左を合わせます。
画面上で並べて見るだけでなく、縮小して印刷した紙を実際に裏返すと、想定した向きになっているか確かめられます。
上下に返すのか左右に返すのかを決めたうえで、裏面の文字が正しい向きに見えるか確認します。
ファイル名で表面と裏面を区別する
入稿ファイルには、「注文番号表面」「注文番号裏面」のように、面がひと目で分かる名前を付けます。
ファイル名だけでは天地が伝わりにくいデザインなら、トンボの外側にも天と地を記載し、面と向きを分けて示します。
標準外の向きは仕上がり指示で伝える
同じ向きの表裏で表面の天と裏面の地を合わせる場合や、タテとヨコで表面の天と裏面の右を合わせる場合は、標準とは異なる合わせ方です。
標準外を希望するなら、データ内へ天地を記すだけでなく、注文時の仕上がり指示にも希望を反映させる必要があります。
発注前に表裏を簡易印刷して、どの辺を軸に返すと読みやすいかを確認しておくと、希望する向きを説明しやすくなります。
印刷の鉄人では、注文時の「仕上がり指示」から「標準ではない合わせ方」を選択できます。
天地指定と注文内容の両方で希望を伝えられるため、タテ・ヨコが混在するデザインでも向きを共有しやすくなります。
標準か迷う場合は、注文途中にイメージ図での説明がありますので、そちらを参考にしてください。
まとめ

両面印刷のずれには、表裏の天地が意図と違う問題と、印刷・断裁の工程で生じる位置ずれがあります。
天地は表面・裏面の指定と仕上がり指示で明確にし、工程上のずれには文字を3mm以上、枠線を3mm以上内側へ置く方法で備えます。
背景や写真を端まで見せる場合は、仕上がり線より3mm外側まで塗り足しを作ることも欠かせません。
最後に表裏をプリント出力して、表裏の組み合わせを確認することをお勧めします。
印刷の鉄人では、表裏の合わせ方と断裁ずれへの備えを、見本画像付きのテクニカルガイドにまとめています。
向きと配置を分けて理解できるため、表裏が逆さになる問題と余白がずれて見える問題を混同しないようご注意ください。
注文時には標準外の合わせ方も仕上がり指示で選べるので、デザインに合う表裏の向きを伝えやすいこともメリットです。

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